50代になって、会社を辞めたいと思う日が増えてきました。
若い頃は、定年まで働くことが当たり前だと思っていました。
会社に勤め、毎月給料をもらい、子どもを育て、住宅ローンを返していく。それが普通の人生だと考えていたのです。
ところが50代になると、少しずつ考え方が変わってきました。
あと何年、今の働き方を続けるのだろう。
健康なうちに、自分のやりたいことを始めなくていいのだろうか。
そんなことを考えるようになりました。
以前、そんな気持ちを記事にしました。
関連記事:50代になって、本気で会社を辞めたいと思う日が増えてきた
ただ、会社を辞めたいと思うことと、実際に辞められることは別です。
私には家族がいます。住宅ローンも残っています。子どもの教育費も、まだ必要です。
だからこそ、感情だけで退職を決めるわけにはいきません。
今回は、50代で会社を辞める前に確認しておきたい5つのお金について、私自身の経験を交えながら考えてみます。
① 住宅ローンは、あといくら残っているか
最初に考えるのは住宅ローンです。
会社員でいる間は、毎月決まった給料が入ってきます。住宅ローンの返済も、その収入を前提に組み立てています。
ところが退職すると、その前提が変わります。
もちろん、住宅ローンが残っていても会社を辞めることはできます。
ただ、毎月の固定費が大きいほど、退職後に必要な収入も増えます。
例えば、住宅ローンの返済が毎月9万円なら、年間108万円です。
これがなくなるだけで、家計の負担は大きく変わります。
私の場合、住宅ローンの完済は、会社を辞めるための大きな条件の一つです。
退職を考え始めたら、まず住宅ローンの残高、毎月の返済額、完済予定時期を確認しておきたいところです。
② 子どもの教育費は、いつまで必要か
次に大きいのが教育費です。
わが家には3人の息子がいます。
大学生もいれば、これから進路を決める子どももいます。
子どもが小さい頃は、教育費がここまで長く続くとは、なかなか実感できませんでした。
しかし大学進学となると、授業料だけではありません。
教材費、交通費、実習費。進学先によっては、家計への負担がかなり大きくなります。
しかも、兄弟がいれば支払いの時期が重なることもあります。
ここで大切なのは、教育費の総額だけでなく、いつ、いくら必要になるのかを把握することだと思います。
例えば、今後5年間の学費を年ごとに書き出してみる。
それだけでも、退職を考えられる時期が少し見えてきます。
私にとって、子どもたちが独立する時期は、会社を辞めるかどうかを判断する大切な条件です。
③ 退職後の税金と社会保険料はいくらか
会社員を長く続けていると、健康保険料や厚生年金保険料は給与から天引きされます。
そのため、退職後にどれだけ負担が生じるのか、意外と意識していないものです。
会社を辞めた後の健康保険には、一般に次のような選択肢があります。
- 勤務先の健康保険を任意継続する
- 国民健康保険に加入する
- 条件を満たせば家族の健康保険の扶養に入る
どれを選べるか、どれが有利かは、収入や家族構成によって異なります。
また、60歳未満で退職する場合には、国民年金への切り替えが必要になることもあります。
さらに注意したいのが住民税です。
住民税は前年の所得をもとに計算されるため、退職して収入が減っても、しばらくは大きな支払いが続く場合があります。
国民健康保険料も、前年所得が影響するのが一般的です。
つまり、退職した翌年は、収入が減ったのに税金や保険料の負担が重いということも起こり得ます。
生活費を計算するときは、食費や光熱費だけでなく、税金と社会保険料も別に見積もっておく必要があります。
④ 毎月いくらあれば生活できるのか
ここが一番大切かもしれません。
会社を辞めるために、貯金はいくら必要なのか。
その答えは、家庭によって違います。
例えば、毎月の生活費が30万円の家庭なら、年間360万円が必要です。
仮に収入がまったくなければ、1,000万円の貯蓄があっても、生活費だけで3年弱でなくなる計算です。
実際には、税金、社会保険料、家電の買い替え、車の維持費なども考えなければなりません。
だから私は、貯金の総額だけでなく、会社以外から毎月いくら入ってくるかを重視するようになりました。
仮に毎月30万円必要でも、会社以外から10万円の収入があれば、不足するのは月20万円です。
月20万円なら年間240万円。
収入がゼロの場合とは、必要な貯蓄額が大きく変わります。
もちろん、会社以外の収入が将来も安定して続くとは限りません。
それでも、会社員でいる間に小さな収入源を育てておくことには、大きな意味があると思います。
⑤ 生活を守るお金と、挑戦するお金は分ける
私が最近、特に意識していることがあります。
それは、生活のためのお金と、新しい仕事を始めるためのお金を混ぜないことです。
50代で会社を辞めて、何か新しいことを始めたい。
そう考えている人もいると思います。
ただ、独立してすぐに会社員時代と同じ収入が得られるとは限りません。
事業を始めるための費用も必要ですし、軌道に乗るまでの生活費も必要です。
この二つを同じ貯金から出してしまうと、仕事が思うように進まなかったとき、生活そのものが苦しくなります。
だから私は、お金を二つに分けて考えています。
一つは、家族の生活を守るためのお金。
もう一つは、新しいことに挑戦するためのお金。
挑戦がうまくいかなかったとしても、家族の生活まで危うくならないようにする。
50代からの独立では、若い頃以上に大切な考え方だと思います。
50代で会社を辞めるのは、逃げなのだろうか
50代で会社を辞めたいと思うと、どこか後ろめたさを感じることがあります。
ここまで勤めてきたのだから、定年まで頑張るべきではないか。
家族のためにも、安定した収入を手放すべきではないのではないか。
そう考える自分もいます。
一方で、人生の残り時間を考えるようにもなりました。
60歳になってから始めるのか。
それとも、50代のうちに準備を整えて、新しいことに挑戦するのか。
どちらが正しいという話ではありません。
ただ、会社を辞めたいという気持ちを、単なる愚痴で終わらせたくはないのです。
その気持ちをきっかけに、家計を見直し、働き方を考え、将来の選択肢を増やしていく。
それなら、会社を辞めたいと思うことにも意味があるのではないでしょうか。
私はまだ会社を辞めない
今のところ、私は会社を辞めるつもりはありません。
正確には、今すぐ辞められる条件が整っていません。
住宅ローンもあります。教育費も必要です。会社以外の収入も、まだ十分とはいえません。
だから、もう少し会社員を続けます。
その間に住宅ローンを返し、子どもたちの進学を支え、会社以外の収入を育てていく。
一つずつ条件を整えていけば、いつか「辞めたい」ではなく、「辞められる」と言える日が来るかもしれません。
50代の退職で大切なのは、勢いで決断することではなく、選択肢を増やすことだと思います。
会社を辞める自由は、辞める前の準備から生まれる。
今は、そう考えています。
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