私の学生時代には、『信長の野望』がありました。
『全国版』。
『戦国群雄伝』。
『武将風雲録』…。
強い大名家で始めることもあれば、あえて弱い大名家を選ぶこともありました。
兵力が少ない。
国力も乏しい。
家臣団にも、目立って能力の高い武将がいない。
それでも、誰に内政を任せ、誰を戦場へ出し、誰を城に残すのかを考える。
限られた家臣団で、どう勝ち筋をつくるか。
私は、それが楽しかったのです。
強い武将がいないから面白かった
『戦国群雄伝』や『武将風雲録』では、家臣一人ひとりに能力がありました。
戦には強いが、内政には向かない。
知略は高いが、兵を率いるには心もとない。
数字だけを見れば、使い道が少なそうな武将もいる。
けれど、その大名家を選んだ以上、その家臣団で戦うしかありません。
能力の高い武将だけを使うのではなく、それぞれの得意なことを探し、役割を与える。
弱い大名家ほど、一人の家臣の使い方が結果を左右しました。
条件が悪いからこそ、考える余地がありました。
織田家に井伊直政が加わった
最近、スマートフォン版の『信長の野望』を遊んでみました。
そこでは、登用、いわゆるガチャによって武将が増えていきます。
私は織田家で始めました。
ところが、間もなく徳川家の重臣である井伊直政が家臣になりました。
能力の高い武将です。
戦力だけを見れば、喜ぶ場面なのでしょう。
けれど、私はそこで興醒めしてしまいました。
織田家には、織田家の家臣団がいる。
その中で、誰をどう使うかを考えたかったのです。
強い武将を引き当てて戦力を整えることより、与えられた家臣団で国をつくることに、私は面白さを感じていました。
社長に言われた、自分の特性
以前、社長からこう言われたことがあります。
戦力や業績が悪いなら、悪いなりに結果を出すのが、あなたの特性だ。
最初から人材がそろい、数字もよく、条件に恵まれた場所で成果を出す。
それも一つの力です。
ただ、私はこれまで、十分な人員がいない現場や、業績が落ち込んだ組織に関わることが少なくありませんでした。
そんなとき、まず今いる人を見る。
何が得意なのか。
どこで力を発揮できるのか。
誰と組み合わせれば動きやすいのか。
役割を変え、配置を考え、限られた戦力で結果につなげる。
社長の言葉を聞いたとき、思い当たる仕事はいくつもありました。
そして今、『信長の野望』を振り返ると、学生時代から同じことをしていたのだと気づきます。
上司ガチャと部下ガチャ
最近は、「上司ガチャ」という言葉を聞きます。
部下は、上司を自由に選べません。
どんな上司の下で働くかによって、仕事のしやすさも、成長の機会も変わります。
部下の側が「上司ガチャ」と感じることは、あるのだと思います。
一方で、「部下ガチャ」という言葉もあります。
思うように動く部下が来なかった。
能力の高い人がそろわなかった。
だから結果が出なかった。
けれど、管理する側がそう言ってしまったら、そこで考えることをやめてしまいます。
それでは、強い武将を引けなかったから負けたと言っているのと同じです。
管理職は、理想の部下が来るのを待つ立場ではありません。
今いる人を見て、その人が力を発揮できる場所を考える。
足りないものを嘆く前に、持っている戦力で何ができるかを探す。
少なくとも私は、そうありたいと思っています。
優秀な人を集めれば、強い組織になるのか
優秀な人材を採用することは大切です。
ただ、優秀な人を集めれば、それだけで強い組織になるわけではありません。
営業が得意な人。
数字に強い人。
人の話を聞くのがうまい人。
表には出ないけれど、現場を安定させる人。
誰もが万能ではありません。
一人ひとりの特性を見ず、足りない能力ばかりを数えても、組織は動きません。
今いる人に何ができるのか。
どこに置けば、その人らしく働けるのか。
それを考えることが、管理する側の仕事なのだと思います。
弱い大名家には、弱い大名家の戦い方がある
私が『信長の野望』で学んだのは、強い武将を集める方法ではありませんでした。
条件がよくなくても、今いる家臣を見て、役割を考え、勝ち筋をつくることでした。
戦力が足りない。
業績が悪い。
思うように動ける人ばかりではない。
そんな状況でも、できることはあります。
弱い大名家には、弱い大名家の戦い方がある。
社長に言われた「悪いなら悪いなりに結果を出す」という言葉は、私の仕事の特性であると同時に、学生時代から変わらない遊び方だったのかもしれません。
強い武将が引けなかったことを嘆くより、今いる家臣をどう生かすかを考える。
私は、これからもそのやり方で戦っていくのだと思います。
この記事が印象に残ったら、♡を押していただけるとうれしいです。

コメント