40代・50代の転職は本当に厳しいのか|採用する側から見える4つの壁

働き方・副業

転職について調べると、

「40代から厳しくなる」
「50代の転職は難しい」

そんな言葉をよく見かけます。

確かに、20代や30代と同じ転職ではありません。

ただ、長く採用する側にいて感じるのは、年齢だけで決まるわけでもないということです。

40代・50代には経験があります。

人を動かしたこともある。

トラブルを処理したこともある。

数字に責任を持ったこともある。

若い人にはない強みです。

一方で、その経験があるからこそ、採用する側が慎重に見るところもあります。

私が特に大きいと思うのは、4つです。

壁1 今の年収が、そのまま市場価値とは限らない

40代、50代になると、今の会社でそれなりの給与になっている人も多いでしょう。

でも、その年収には能力だけでなく、

長く勤めたこと。

社内で築いた信用。

役職。

会社独自の評価制度。

その会社でしか使わない経験。

いろいろなものが含まれています。

転職すると、それが一度外されます。

「今これだけもらっているから、次も同じ金額」

とは限りません。

これは能力が低いという意味ではありません。

社内での評価と、転職市場での評価は別のものだからです。

ここを受け入れられるかどうかで、選択肢はかなり変わります。

壁2 経験より「いつ結果を出せるか」を見られる

40代・50代の中途採用で、現場が期待するのは即戦力です。

もちろん会社によって違いますが、

「何年かかけて一人前になってもらおう」

という採用ではないことが多い。

採用する側は、

この人ならどれくらいで仕事を理解できるか。

いつから戦力になるか。

今抱えている課題を解決してくれるか。

そんなことを考えます。

そこで、

「前職では20年やってきました」

だけでは足りません。

大事なのは、

その20年の経験を使って、新しい会社でどれだけ早く結果を出せるのか。

経験が長いことそのものではなく、経験を新しい環境に転用できることが重要になります。

そして40代・50代ほど、

「教えてもらってから考えます」

ではなく、自分から状況をつかみにいく姿勢も求められると思います。

壁3 前職の肩書きとやり方を手放せるか

長く管理職をしていると、役職が自分の一部になります。

部長だった。

責任者だった。

何十人の部下がいた。

もちろん、それは経験です。

でも転職先で同じ立場が用意されているとは限りません。

年下の上司の下で働くこともあります。

以前より現場に近い仕事をすることもあるでしょう。

ここで、

「前の会社ではこうだった」

が増える人は、採用する側としては少し気になります。

前職で成功した方法が、新しい会社でも正解とは限りません。

経験は持ってきてほしい。

でも、前の会社そのものを持ち込んでほしいわけではない。

40代・50代ほど、この切り替えが大事になります。

壁4 能力があっても、周囲を味方にできなければ難しい

私は、ここもかなり重要だと思っています。

中途で入ってきた40代・50代には、若い社員にはない経験があります。

だからこそ、入社直後から意見も見える。

「ここはおかしい」

「こう変えた方がいい」

と気づくことも多いでしょう。

それ自体は悪いことではありません。

問題は、伝え方です。

入社して間もない人が、

「前の会社ではこうだった」

「このやり方は非効率だ」

と正論を次々に言えば、内容が正しくても周囲は構えます。

現場には、その会社なりの事情があります。

歴史もあります。

人間関係もあります。

だから、まず聞く。

相手を知る。

今までやってきた人を否定しない。

そのうえで少しずつ変えていく。

物腰の柔らかさや、周囲を味方につける力も、40代・50代の即戦力の一部だと思います。

知識や能力だけが即戦力ではありません。

新しい組織に早く溶け込み、周囲から、

「この人と一緒にやりたい」

と思ってもらえることも大切です。

30年の経験を、相手に伝わる言葉にできるか

経験が長い人ほど、自分の強みが分からなくなることがあります。

毎日やってきたので、本人にとっては普通だからです。

人を育てた。

採用した。

数字を改善した。

問題のある組織を立て直した。

新しい仕組みを導入した。

こうしたことも、

「管理職をしていました」

だけでは伝わりません。

何が問題だったのか。

自分は何をしたのか。

その結果、何が変わったのか。

そこまで説明できて、初めて他社でも使える経験として伝わります。

40代・50代の転職では、

経験の量より、経験を相手の会社で使える形に翻訳できるか

が重要なのだと思います。

40代・50代だからこその強みもある

ここまで壁を書きましたが、悲観する必要はないと思っています。

若い人にはないものもあります。

人を見る経験。

失敗した経験。

修羅場を経験したこと。

感情的にならずに対応する力。

誰に何を任せればよいか考える力。

こうしたものは、年齢を重ねたからこそ身につく部分があります。

だから採用する側としても、

「年齢が高いからいらない」

という単純な話ではありません。

むしろ、

経験があり、

新しい環境にも合わせられ、

すぐに動けて、

周囲とも関係を作れる。

そんな人なら、非常に頼もしい存在です。

転職しなくても、一度外から自分を見てみる

40代・50代になったら、一度くらい自分の市場価値を確認してみてもいいと思っています。

今すぐ転職しなくても構いません。

実際の求人を見る。

求められている経験を見る。

年収を見る。

自分なら何ができるか考える。

それだけでも意味があります。

今の会社で高く評価されているから外でも同じなのか。

逆に、自分では大したことがないと思っている経験が、外では評価されるのか。

見てみなければ分かりません。

転職するためだけではなく、

会社に残るかどうかを判断するためにも、外から見た自分を知っておく。

40代・50代では、その意味が大きくなってくると思います。

年齢より、「変われるか」を見られている

40代・50代の転職が簡単だとは思いません。

でも、本当の壁は年齢だけではない。

今の年収を当然だと思わない。

早く結果を出す。

過去の肩書きを引きずらない。

新しい会社のやり方を学ぶ。

物腰を柔らかくする。

周囲を味方につける。

それができる人なら、長い経験はむしろ武器になります。

結局、40代・50代の転職で問われるのは、

「これまで何をしてきたか」だけではなく、「新しい場所でどう変われるか」

なのだと思います。

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