家庭に小さな商いが生まれて、夫婦の会話が変わった

働き方・副業

家族で小さなネットショップを始めて、3年になる。

実店舗はない。注文が入れば、家にある商品棚から品物を取り出し、梱包して発送する。

売上は、会社員の給料に代わるような金額ではない。

それでも、家庭の中に小さな商いが生まれたことで、夫婦の会話は少し変わった。

子どもの話が減ってきた

子どもが小さい頃、夫婦の会話の中心は、ほとんど子どものことだった。

学校のこと。習い事のこと。体調のこと。友達のこと。進路のこと。

三人の子どもがいれば、毎日のように話すことがあった。

けれど、子どもたちは大きくなった。

自分で考え、自分で動くようになり、親が口を出す場面も少しずつ減ってきた。

それは喜ばしいことだ。

ただ、夫婦で子どものことを話す時間が、以前より減ったのも確かだった。

ネットショップが共通の話題になった

そんな時期に、家庭の中へネットショップが生まれた。

今日は何件売れたのか。どの商品がよく見られていて、どの在庫が少なくなったのか。

写真は分かりにくくないか。送料は高く感じられないか。商品を増やすべきか、減らすべきか。

売上は小さくても、自分たちで考えることは多い。

うまくいかなければ、二人で原因を考える。考えたことを試し、その結果を数字で見る。

気がつけば、夫婦の会話は、小さな経営会議のようになっていた。

子どものように育てる楽しさがある

もちろん、ネットショップは子どもの代わりではない。

それでも、どこか似ているところがある。

最初は何も分からず、少しずつ形を整えていく。うまくいかなければ理由を考え、反応があればうれしくなる。

急いで結果を出そうとしてもうまくいかない。手をかけすぎてもよくないが、放っておけば育たない。

商品を見直し、写真を変え、梱包を工夫し、お客様の反応を見ながら、少しずつ店を育ててきた。

昨日より少しよくなった。

先月より少し売れるようになった。

そんな変化を、夫婦で一緒に喜べる。

そこには、子育てとはまた違う「育てる楽しさ」がある。

意見が合うとは限らない

もちろん、いつも意見が一致するわけではない。

私は数字から考えたくなる。

売上はいくらか。原価はいくらか。送料や手数料を引いて、利益はどれだけ残るのか。

一方で、妻はお客様の反応や、商品の見せ方を大切にする。

この梱包の方が喜ばれる。この写真の方が店の雰囲気に合う。この商品は店の方向性から外れる。

私には効率が悪く見えることでも、妻には譲れないことがある。

反対に、妻がよいと思ったことでも、費用や手間を考えると続けにくい場合がある。

意見がぶつかることもある。

それでも、同じ店について話している。

以前は別々だった仕事の感覚が、少しずつ重なるようになった。

売上以外のものも増えた

ネットショップを始めた目的は、収入を増やすことだった。

今も、その目的は変わっていない。

商売である以上、売れなければ続けられない。利益が残らなければ、ただの趣味になってしまう。

ただ、3年間続けてみると、売上以外にも増えたものがある。

店へ行けば、陳列や価格、接客が気になるようになった。荷物が届けば、梱包の仕方を見るようになった。

ほかのネットショップを見れば、写真や送料、商品説明を比べる。

そして、その気づきを夫婦で話す。

日常の中に、二人で見るものが増えた。

家庭の中に、もう一つの仕事ができた

会社では、自分の考えだけで物事を決められない。

上司がいる。部下がいる。組織の事情がある。

よいと思っても、すぐには動かせないことも多い。

ネットショップでは、規模は小さくても、自分たちで決められる。

商品を変える。価格を見直す。広告をやめる。送料を考える。店の雰囲気を変える。

結果も、自分たちに返ってくる。

家庭の中に、会社とは違う小さな仕事ができた。

それは収入源であると同時に、夫婦で何かを作る場所でもあった。

小さいから続けられた

最初から大きな商売を始めていたら、続かなかったかもしれない。

家賃がかかり、人を雇い、多くの商品を仕入れ、毎月一定の売上を作らなければならない。

それでは、夫婦の会話も穏やかなものではなくなっていただろう。

私たちの店は小さい。

だから、失敗しても見直せる。商品を減らすことも、広告を止めることもできる。

本業を続けながら、少しずつ試すことができた。

小さな商いだったからこそ、家庭を壊さず、家庭の中に入れることができたのだと思う。

夫婦の会話に、もう一度「育てる話」が増えた

子どもたちは大きくなり、親の手を少しずつ離れていく。

それは、うれしいことだ。

その一方で、夫婦で同じものを見て、考え、育てる時間は減っていく。

私たちの場合、その空いた場所に、小さなネットショップが入った。

子どもの代わりではない。

けれど、昨日より少し育っていることを、二人で喜べる。

家庭に小さな商いが生まれて、夫婦の会話に、もう一度「育てる話」が増えた。

私たちがネットショップを始める前に準備したものや、実際に使っているサービスについては、別の記事にまとめています。

ネットショップを始める前に準備したもの
ネットショップの仕入れサイト3社を比較|3年運営して分かった連携の大切さ
BASE・STORES・Shopifyを比較|小さなショップに向いているのはどれ?

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