AIで部下を評価してはいけない理由

AI活用

AIは、人の文章を要約できる。

数字も整理できる。

複数の情報を入れれば、特徴をまとめることもできる。

管理職として使っていると、当然こう思う。

部下についても、AIに相談できるのではないか。

実際、私は相談することがある。

ただし、評価を決めてもらうためではない。

その人をどう生かすかを考えるためだ。

部下の情報を入れて、起用法を考えることはある

たとえば、その人の得意なこと。

苦手なこと。

仕事の速さ。

人との関わり方。

これまで任せてきた仕事。

うまくいったこと。

気になっていること。

そうした情報をある程度ChatGPTに伝える。

その上で、

「この人には、どんな仕事を任せると力を発揮しやすいか」

「次に経験させるなら、どんな役割がいいか」

「こういうタイプには、どうアドバイスすると伝わりやすいか」

と聞くことがある。

自分にはなかった見方が返ってくることもある。

長く一緒に仕事をしているほど、

「この人はこういう人だ」

と決めつけてしまう。

そこに別の見方を入れるために、AIは結構使える。

評価と起用は、似ているようで違う

ここは分けた方がいいと思っている。

「この部下は何点か」

「昇進させるべきか」

「A評価かB評価か」

そこまでAIに決めてもらうつもりはない。

一方で、

「この特徴を持つ人を、どう生かすか」

を一緒に考えることには抵抗がない。

評価は、その人の過去や現在を判断するものだ。

起用は、その人のこれからを考えるものでもある。

私は、AIには後者の方が向いていると思っている。

管理職には思い込みがある

長く管理職をしていると、人を見る経験は増える。

ただ、経験が増えれば、必ず正しくなるわけでもない。

以前似たタイプの人が失敗した。

だから、この人も難しいだろう。

このタイプは管理職には向かない。

この人はここまでだろう。

経験が、逆に先入観になることもある。

そこでChatGPTに、

「別の起用法はないか」

「この人の強みを違う角度から見るとどうなるか」

「私の見方に偏りがあるとしたら、どこか」

と聞く。

これは結構面白い。

AIの答えが正しいとは限らない。

でも、自分の考えを疑う材料にはなる。

アドバイスの仕方を考えるのにも使える

同じことを伝えても、人によって受け取り方は違う。

結論から言った方が伝わる人。

背景から説明した方が納得する人。

ある程度任せた方が伸びる人。

細かく確認した方が安心して動ける人。

私たちの世代は、

「仕事なんだから、言われたらやる」

という感覚で育ってきた。

でも、今はそれだけではうまくいかない。

その人の特徴を伝え、

「この人には、どう伝えれば動きやすいと思うか」

とChatGPTに聞くこともある。

答えをそのまま使うわけではない。

ただ、伝え方を考え直すきっかけにはなる。

それでも、人そのものをAIに決めつけさせない

便利だからこそ、気をつけなければならないこともある。

AIに、

「この人はこういうタイプです」

と答えられると、それが正解のように見える。

でも、人はそんなに簡単ではない。

ある仕事では弱くても、別の仕事では強い。

上司が変われば力を発揮することもある。

経験を積めば、数年で別人のように成長することもある。

だから、

「この人はこういう人だ」

とAIに決めてもらうのではなく、

「こういう見方もある」

くらいにとどめる。

最後に本人を見るのは、自分だ。

数字に出ないものは、現場にいる人間が見る

売上や達成率なら数字で見える。

でも、

新人をさりげなく助けている。

トラブルが起きる前に動いている。

周囲が困ったときに自然と声をかけている。

失敗したあと、以前より準備するようになった。

こういうことは、普段見ていないと分からない。

AIは、こちらが入力した情報しか知らない。

入力していないその人の姿まで、理解しているわけではない。

だから評価そのものを預けてはいけないと思う。

AIは「人を見る代わり」ではない

AIは、部下を見る代わりにはならない。

ただ、部下について考える相手にはなる。

能力や特徴を整理する。

別の起用法を考える。

アドバイスの仕方を考える。

自分の思い込みを疑う。

そういう使い方なら、私はむしろ積極的に使っている。

管理職一人の経験だけで人を決めるより、別の視点を一つ加えた方がいいこともある。

ただし、最後の判断までAIへ渡さない。

その人と働いているのはAIではない。

その人の成長を見てきたのもAIではない。

そして、その人の評価に責任を持つのもAIではない。

AIに人を評価してもらうのではなく、自分が人を見るための視点を増やしてもらう。

管理職がAIを使うなら、そのくらいの距離がちょうどいいと思っている。

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