57歳の武豊を見て思ったこと

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今年の宝塚記念は外れた。

私は良馬場を前提に予想していた。

ところがレース直前に雨が降り始める。

馬場状態は一変した。

馬券はすでに購入済みだ。

どうすることもできなかった。


そんな中で勝ったのは、武豊騎手騎乗のメイショウタバルだった。

レース前、同級生からLINEが届いた。

「どれだけ武豊は神がかっているんだろうか。天まで味方につけて。」

思わず笑ってしまった。

確かにそんなレースだった。


もちろん、雨が降ったから勝ったわけではない。

メイショウタバルは重馬場適性のある馬だ。

雨という偶然が、その馬の強みを引き出した。

そう考える方が自然だろう。


レース後、武豊騎手はこう語った。

「松本会長が天国から雨を降らせてくれたのかなと思いました」

その言葉を聞いて、私はメイショウの冠名で知られる松本好雄オーナーの言葉を思い出した。

「人がいて、馬がいて、そしてまた人がいる」

競馬ファンなら一度は耳にしたことのある言葉だ。


若い頃の私は、武豊騎手を天才として見ていた。

勝って当たり前の存在だった。

だが50代になった今は、違うところに目が向く。

なぜ57歳になっても第一線で戦い続けられるのか。

そちらの方が気になる。


競馬の世界は厳しい。

毎年、新しい才能が現れる。

若い騎手が台頭する。

技術も変わる。

環境も変わる。

それでも武豊騎手は主役であり続けている。


考えてみれば、仕事も同じだ。

若い頃はスピードで勝負できる。

体力もある。

多少の無理も効く。

しかし人生後半戦は違う。

若さだけでは戦えない。

だからこそ問われるのは、何を積み重ねてきたかだ。


私は最近、仕事でAIを使う機会が増えた。

周りから見れば新しい技術に飛びついているように見えるかもしれない。

けれど自分の感覚は少し違う。

新しいことをしているというより、これまで積み重ねてきた経験を別の形で活かしているだけだ。

経験があるから質問できる。

経験があるから答えを見極められる。

経験があるから使い道を思いつく。


私たち1970年代生まれは、変化の真ん中を生きてきた。

黒電話の時代を知っている。

インターネットの登場を経験した。

携帯電話もスマートフォンも見てきた。

そして今はAIだ。

そのたびに戸惑いながらも、何とか適応してきた。


今回の宝塚記念で印象に残ったのは、雨そのものではない。

雨によって強みが生きたことだ。

環境は選べない。

変化も選べない。

しかし、自分の強みを磨くことはできる。


人生後半戦も同じなのだと思う。

AIは現れる。

市場は変わる。

働き方も変わる。

想定外の雨は、これからも何度も降るだろう。

だから必要なのは、変化を恐れないことではない。

変化が来た時に、自分の強みを発揮できる準備をしておくことだ。


57歳の武豊騎手は、その姿を結果で示してくれた。

人生後半戦は、若さで戦う時期ではない。

経験という蓄積を、どう使うかで戦う時期だ。

私も、自分の強みを磨き続けたいと思う。

なるはやで。

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